スカーフ講師のふくじゅみゆきです。
今日はスカーフの選び方やアレンジメントのお話ではないのですが、
スカーフを手にする日々の中で想ったことなどを書き留めたくて記事に起こしています。
使い込まれたスカーフだけがもつ美しさ
長くともに過ごしたスカーフは、シルクのハリもだんだんと失われて、
ピンとした、気高く少しすましたような表情から、
品の良さはそのままに、しっとりと優しい顔になっている気がします。
文字通り、持ち主とともにスカーフも年を重ねて、しっとり、くったりと包み込むような柔らかさを帯びていきます。
こうして持ち主の雰囲気にも肌にも馴染んでいくのでしょう。
スカーフは人生に寄り添うもの。愛しいもの。
このスカーフで入学式に行ったなあ、あのときこどもがとても綺麗と喜んでくれた――
使い込まれたスカーフを前に、ふとそんなふうに思い出す瞬間は、人生のとても幸せな時間です。
綻びも美しさ
どんなに気をつけていても、長く愛用すればちょっとしたシミや糸引きができてしまうことがあります。
シルクは紫外線を吸収しますから、たとえば白はだんだんと黄みを帯びてきますし、全体の色合いも変わっていきます。
色の変化は幾分は仕方ないにしても、シミや糸引きに気づいた時はショックで泣きたくなるほどなのですが、
不思議ですね、時が流れ、いつの間にか「ああ、これはあの時ついたのだな」と懐かしく思い起こすようになります。
お気に入りだからこそ大切にケアをし、
大切にケアするからこそ、そんなちょっとした綻びにも気づくことができるのですね。
一枚のスカーフに向き合い、寄り添う時間。
そのスカーフと過ごす人生。
それは、誰のものでもない、「私の」人生のスカーフを育てた時間。
そうした丁寧な暮らしを積み重ねることこそが、今の自分にとってはとても贅沢なことのように感じます。
時を繋ぐスカーフ
母から譲られたスカーフも、私にとってはとても大切な愛しいものです。
母が育てた時間を、母のぬくもりごと受け継いで、今度は母と娘の時間を重ね、紡いでいく。
母の時間を感じながら、母を包んだスカーフに包まれて、ともに日々を重ねる。
とても幸せな時間です。
スカーフが奏でる豊かで、シンプルな暮らし
スカーフが一枚あれば、それは幾通りにも表情を変化させ、装いの幅を広げてくれる。
ミニマムでシンプルな暮らしを叶えてくれる。
でもそれだけではなくて、幾重にも重なる想いが豊かな人生を奏でてくれる、そんなふうに思っています。